シアトル生活はじめました

20年以上すんだ東海岸から西海岸に引っ越してきました。MicrosoftのUniversal Storeで働いてます。

インフルエンザの予防接種について

双子の娘たちがインフルエンザにかかった。

一人が数日間高熱をだし、治ったころに相方が高熱に。学校でも多くの同級生が同様の症状で休むことになったらしい。インフルエンザと判断してよさそうです。

後発の方は喘息持ちなんで、かなり呼吸が苦しそうで、5日ぐらいしても改善しないんでドクターに見てもらったら中耳炎にもなってた。酸素の量を計ってもらってこりゃいかんということでステロイド系の薬を出してもらい、ついでに中耳炎のための抗生物質も出してもらった。(がんばれ~)

ちなみに妻も同様に高熱を出しましたが、二日ぐらいで復活してました。

そして私も咳が出るようになった。だけどなぜか熱は無し。

妻と私は会社の福利厚生の一部で予防接種をしてましたが、子供たちは今年はしなかった(去年まではしてたんだけど、引っ越しとかのドタバタもあって)

私は大事をとって二日会社を休み、今日出社したんですが、同僚に・・・

「ヨシ、調子はどう?」

「うん、ずいぶんいいよ。たぶんインフルエンザ予防接種をしてたからだと思うけど、自分も妻も軽く済んだみたい」

という会話の後、同僚の一人が「ワクチンって出鱈目だよ("Flu shots are bullshit")」

もう一人が「ワクチン打つぐらいなら病気なるよ("I rather get sick than getting one.")」

・・という反応が返ってきた。

なるほど、アンチ予防接種。

正直、私もじっくり調べたことが無かったんで、小一時間ほどいろいろと調べてみました。もちろん専門家ではないし、多くの時間を費やすわけにもいかないので調査には限界がありますが、私の現段階の予防接種に対する知識と考え方は・・・

1.予防接種の効果が明らかに「ある」もしくは「ない」と自信をもって言えるデータは、ネットからは(この限られた時間内では)見つけられなかった。ある有名な「前橋データ」を検証しているブログ記事を読んだが、肯定をサポートするデータと否定をサポートするデータが混在していると考えられた(後述)

2.子供と老人はかかりやすい、というデータはある。(若い人はかかりにくい、そしておそらくかかっても跳ね返す体力がある)。

3.私自信、若い時は予防接種なんて気にもしてなかった。予防接種に否定的だった同僚は二人とも若くて独身もしくは子供がいない。私も最近より頻繁に予防接種を打つようになった。「個人」から「家族」という立場になったら予防接種の意味が変化するのではないか?

アメリカのCDCの資料では、8歳ぐらいまでは2回接種がより効果的だが大人は一回でいいとされている。

.私個人としては、喘息もちの娘の重篤化を避けるためもあり、家族単位での予防接種を提案し続けようと考えている。完全な予防は期待できない(それこそ彼女らの通う学校の接種率が90%とかにならない限り)が。

6.世の医療従事者・医療機関や製薬会社が全て金儲けだけの動機で予防接種を推奨しているとは私にはとうて思えない。陰謀論を理由に予防接種を止めるつもりはない。

.予防接種をしない人たちの判断は尊重する。できれば受けてほしい(接種率を上げて、流行るのを封じ込めるため)という気持ちはあるが、個人のリスク判断にとやかく言うことはできない。ただし、陰謀論がその主な理由の人には、人の意見を鵜呑みにせず、自分で調べることを強く勧めたい。

下のブログが今回の調査の軸足。

インフルエンザ予防接種ワクチンは打たない派の方へ・・・なんで判ってもらえないんだろう?追記あり | 五本木クリニック | 院長ブログ

とくに、データの解釈について。

記事に含まれている見解と含まれていない見解もあるが、私なりに整理してみると・・

1.罹患率だけに注目すると、3市の二年間のデータでは「予防接種をした方がしないよりまし」という傾向がある(ただし、60年度の伊勢崎市の1回接種だけはこの傾向と相反する。それでも5/6で「受けた方がまし」という傾向が観察される)

2.非摂取群のカラムに注目して、59年と60年を通して全ての市の間でみると、予防接種をしなかった2市(前橋と安中)の罹患率がもっとも低い。つまり「予防接種はしない方がむしろいい」という傾向がある。

ただし、ブログ記事でも強調されているけど、インフルエンザには地域での流行を示すマップがあるぐらいだから、地域間にそもそも差があるかもしれない。

大切なのは、結論ありきで、自分の意向にあったデータだけを拾うのではなく、いったん自分を中立に置き、データが語るすべてに耳を傾け、そこから自分固有の価値観や置かれた立場などを考慮して判断する(もしくは判断の保留をする)こと。

私個人としては「罹患率から見て、受けた方がまし」という判断、「疫学的には一人でも多く予防接種を受けた方がよい」という理由から自分も受ける。そして、呼吸器系が弱い子供がいるから出来ることはやる、という点で予防接種を受けます。

その他に参考にした資料


インフルエンザ(総合ページ) |厚生労働省

政府統計の総合窓口 GL01000001


インフルエンザの脅威|インフルエンザ情報サービス