読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

シアトル生活はじめました

20年以上すんだ東海岸から西海岸に引っ越してきました。MicrosoftのUniversal Storeで働いてます。

日本ではあまり知られていないマイクロソフトの慈善事業

教育 仕事

昔は「邪悪の代表格」みたいに扱われていて、当時を知っている人はいまも同じような印象を持ってるかもしれない。だけどそれは偏見だと思う。すくなくとも最近は製品がよりオープンになったりと、技術的・業界的にも善良になってる。

さらにマイクロソフトが長年に渡って着実に実績を残している分野が、会社とその従業員による フィランソロピー  活動。

Wikipediaによると

人類への愛にもとづいて、人々の「well being」(幸福健康QOL等)を改善することを目的とした、利他的活動や奉仕的活動、等々を指す。あるいは慈善的な目的を援助するために、時間、労力、金銭物品などをささげる行為のことである。

という意味。

社員に対しては一年を通して寄付とボランティア活動を奨励している。

昨年1年間でマイクロソフト従業員が非営利団体に寄付したお金と時間は日本円で120億円ぐらになる。

blogs.microsoft.com

時間を寄付 

寄付するのはお金だけでなく実際に団体の活動に加わって時間を寄付することもできるが、さらに費やした時間に合わせてmatchといって会社がお金も非営利団体に寄付する仕組みがある。団体にとっては無料のサービス+寄付ということになる。従業員にとっても大きく社会貢献できるチャンスになる。

私も所属するNPOで子供にプログラミングを教えたり他のメンバーのイベントのお手伝いをしたりしている。

私の今年度の時間の寄付はだいたい90時間ぐらい(本当はこの倍ぐらいなんだけど細かい時間を申請してなかったり、準備に使った時間は認めてもらえない場合がおおい。)それでも、この時間に対して1時間につき$25ドルがマイクロソフトから非営利団体に支払われる。1年間のmatchの上限はなんと15000ドル。毎週12時間ほどボランティアをすれば1年で満額寄付となる(満額にした人いるのかな・・・)

Give Campaign 

とくに秋ぐらいから年末にかけて、慈善事業はギアが4とか5ぐらいに上がる。

10月は「ギブ・キャンペーン」と言って、全社を挙げて寄付やボランティア活動をする。

キャンペーンの内容はいろいろと趣向が凝らされていいて、私は参加しないけど毎年チャリティー・ポーカーゲームを開催したりしている。

私が今所属しているユニバーサル・ストア(オンラインのリテールストア部門)の従業員だけでも10月のキャンペーンだけで4億円ぐらいの寄付をした。去年いたSkypeも数億円レベルの寄付をしていた。

この金額の半分は、時間の寄付と同じように会社のmatch。例えば基本的に従業員が$1ドル寄付すると、会社からも同じ額の$1ドルが対象に寄付される仕組み。

Giving Tree 

クリスマスのシーズンになると、キャンパスのいたるところにクリスマス・ツリーが飾られる。その飾りはよくあるキラキラのガラスボールやリボンではなくて、日本の七夕のように「サンタさんへのプレゼントのお願い」が書いた、カード。

私も毎年必ず一枚もらってくる。ことしは Google Playプリペイドが欲しいと書いてある10歳の男の子のカード。家に持って帰ると妻と娘たちも自分たちのお小遣いからカンパしてくれた。去年はバービー人形のセットが欲しいという女の子へのプレゼントだった。

f:id:watanabe_tsuyoshi:20161213201731j:plain

このプレゼントもその金額に対してもmatchが支払われることになる。

私が働いているビルには2本のツリーが飾ってある。

f:id:watanabe_tsuyoshi:20161214122944j:plain

f:id:watanabe_tsuyoshi:20161214122959j:plain

f:id:watanabe_tsuyoshi:20161214135402j:plain

このGiving Treeのプログラムは20年続くマイクロソフトの伝統だそうな。

プレゼントが届くのは子供だけでなく、お年寄りも含まれる。地域のいくつかの非営利団体と連携して毎年行われている。ちなみにこの大量のカードそのものは印刷も含めてゼロックス社による寄付。

コンピューターサイエンス教育

YouthSpark - Microsoft Philanthropies ユース・スパーク(若い火花?)というプログラムを通して55ヶ国,100の非営利団体と連携してコンピューターサイエンスの学習をサポートしていく事業。

具体的には

TEALS | Computer Science in Every High School というプロジェクトで高校の先生たちにコンピューターサイエンスのカリキュラムを教えられるようにするために無料でトレーニングを提供。これは「トレーナ育成プログラム」でアメリカでCSメジャーの卒業生が少なすぎて起こっている慢性的な人材不足をなんとかしようという動き。このプログラムにはマイクロソフトだけでなくGoogleやアマゾンなどの社員も参加してもうすでにマイクロソフト色はあまりないらしい。

2016年度は400の会社から750人のボランティアが参加し、全米の225の高校でCS教育を実践した。

The Micro:bit Foundation is a global non-profit organisation making invention with technology fun for everyone! というArduinoをもっと扱いやすくしたようなデバイスへの投資。これは別に記事を書いたし、SIJPでもコーディングキャンプをやろうと思っているもの。

watanabe-tsuyoshi.hatenablog.com

https://code.org/learn は小学生や中学生ぐらいの子供たちを対象にしたオンラインでコーディングが学べたりするコンテンツとサービス。この団体のパートナーはマイクロソフトだけでなくFacebookGoogleAmazonInfosysも含めて、いろんな会社の人がいて、アメリカを代表する子供向けのCS教育コンテンツのソースになっている。

あまり人気のないマイクロソフトの前CEOのスティーブバルマーも3億円以上のプレミアムサポーター。

尊敬する会社と人

マイクロソフトフィランソロピー事業は挙げていったらキリがないし、実際知らない事業がたくさんあるはず。たまたまCS教育に興味あるから上にあげたようなものは知ってるけど。

Microsoft Philanthropies - Empowerment begins with inclusion

こういうマイクロソフトフィランソロピーの原動力はビル・ゲイツをはじめとする創業者たちの善意と行動力だと思う。

昔どこかで、お金持ちを無条件で非難すべきではない、その人がどういう風にお金を使っているか分からないから、というような話を聞いたことがある。ビル・ゲイツは長者番付の常連だけど、フィランソロピーでもそうとう上位にいる。

そういえばビル・ゲイツと一位二位を競うウォーレン・バフェットも凄かったと覚えてる。ちょっとググったらこれが出てきた。

forbesjapan.com

 

人と同じで、会社もその成功を人類と社会に還元しているかどうかで評価されるべきだと思う。その点ではマイクロソフトはかなりの善だと思う。