シアトル生活はじめました

20年以上すんだ東海岸から西海岸に引っ越してきました。MicrosoftのUniversal Storeで働いてます。

「朝、自分で起きる」という約束を守れない子供が、約束を守れるようになる唯一の方法を見つけた(かもしれない)

たぶん、この方法がひとつの正解だと思う。

[一週間後の結果] このポストの一週間後ですが、ひとりは時間通りピシャリと、もうひとりは5分遅れながら完全に自分だけで(しかも風邪気味なのに)起きてきました。嬉しかったけど、わざとらしいリアクションはあえて一切しませんでした。例えば「すごいね~」とか「えらいね~」とか「やれば出来るじゃん!」とか・・・。こういうコメントってこういう場合「要らない」んですよね。「信頼されている→ 当然」のはずなのに、「信頼されている(?) -> すごい褒められた -> 実は当然だとは思われてなかった -> なんだやっぱり信頼されてなかったんだ」になっちゃう。でも親はつい無意識で言っちゃうんですよね。「言わない褒め方」があると思うわけです。<結果報告終わり>

背景

我が家の中2の娘たち(双子)は、シアトルの補習校をやめ、代わりに別の土曜日本語学校に通っています。本人たちが自ら希望して通うことになりました。妻は小学校からずっと娘たちの日本語学校の宿題やらボランティアやらをいってに引き受けてくれて、補習校を辞めてからは妻なりに自分のやりたいことをやっているので今度の土曜日本語学校に関してはほぼ完全にノータッチです。代わりに私が、娘たちに依頼された、という形式で送り迎えをしています(合間に会社にいってこのようなブログを書いているわけです・・・)

どうしても自分で起きてこない

送り迎えをする私は「依頼されている」という立場なので、娘たちに集合時間を聞き、それに合わせて出発できる準備をするわけですが、本人たちは時間になっても起きてきません。何週間も。今までで、起きてきたのは2回ぐらいかな。その度に自分が起こしに行ってましたが、自分は「起こす係」を申し出た覚えもないし、依頼もされてないので、土曜日は朝からバタバタして、食事もしっかりとらずに学校にいくような状況がずっと続いています。

原因は「夜更かし」です。我が家は原則、何時に寝るかは自由です。平日の現地校はどんなに遅くに寝てもちゃんと起きてくるのです(でないとスクールバスを見逃して大変なことになりますから)。だけど、土曜日の日本語学校だけは起きてこない。いろいろと理由は言うけど、要するに「自分から起きる」という意思がない、それだけです。よく言うんです。大好きなイベントがある日はちゃんと起きるよね?ちゃんと前もって早めに寝るよね?って。

なんとかして、ちゃんと朝時間通りに朝食も済ませて出発できるようにしたいのでいろいろと試しましたが、今日も寝坊しました(だけど後述しますが希望の光が差しました)。 今まで、どんなことを試したかというと・・・

罰金制

集合時間が過ぎて、私が起こしにいったら「$1ドル罰金」にしてみました。$3ドルぐらい儲かりました。でも上手くいきません。おこずかいが減るというのに、ほとんどダメージ無し。前払いしたらその分は起こしてくれるんでしょ?って逆にサービスとして利用する提案をしてくる始末。

前日スマフォ返納制

私が起こしに行った次の週は、金曜日の夜11時にスマフォを親に預けなくてはいけない、というルール。「PCがあるから平気」という対応でまたもやノーダメージで効果なし。私なりに考えたのが、寝坊の原因は夜更かしで、夜更かしの最大の理由はスマフォなので、スマフォをあづけることで「早起きの手伝いをする」という肯定的なフレームに落とし込んでみましたが、効果なし。もっと掘り下げて、スマフォ・PCがWiFiに繋がる、が問題ならルーター設定でネット接続できなくなるようにも出来るけど、もう面倒すぎる。

怒る

私、滅多に感情的に怒って子供を叱るってやらないんですが、30%感情ベース、70%ぐらい「試してみよう」の感覚でがっつり車で怒ってみました。「パパのことを舐めているからでしょう?」みたいな、ちょっとキツい表現も織り交ぜてみた。ちょっと涙目で「来年はちゃんと起きるようになる。それが目標」みたいになって、なんか可哀そうというか可愛くみえてしまって、怒る・叱る作戦はもうやらないことにした。

これが前学期の最後で、今日が今学期の初日でしたが。今朝もはやり起きてこなかったです。ただ、今日少しだけど希望の光が見えたような気がしました。過去形で「見つけた」と言い切れません。でも、こういうのは時間をかけて成長をサポートするものだから、たぶんちゃんと育ってくれるだろうと、確信を持てるようになるだけでも大きな前進です。

子供たちを信じて、信じた人の行動を取る

今朝も約束の時間には起きてきませんでした。そっとドア越しに様子をみても、明らかに爆睡しているのが分かりました。今回の作戦は、約束の時間に待ち合わせている人が取る行動「平然と待つ」をやって見ました。とはいっても爆睡ですから、「完全に遅刻する時間帯」を過ぎたころに、娘たちを普通に起こしに行きました。「もうすぐ9時だけど、今日行くの?」って感じで。

本人たちは本気で自分で起きるつもりだったらしく、すごく悔しがっていた。実はひとりは6時、もうひとりも7時にいったんは起きていたけど、2度寝してしまったと。まぁそれは言い訳で、普通に寝坊です。

でも、今回違うと感じたのは「私と娘たち」の雰囲気、そして娘たちが「え?信じて待ってくれていたの?起きられなくて悔しい」というような反応があったことです。これは人の行動の動機としてはかなり強力なものだと思うんです。信頼に応えられなかったという落胆は、次こそは信頼されるに値する行動をとるぞ、という積極的な意思を生むと思うんです。

たぶんですが、来週からかなりの高頻度を自分で起きれるようになるんじゃないかと思う。来週は無理でも、この「信じてくれてるのに自分は・・・」という気持ちを毎土曜日感じるたびに、本人たちが「とうちゃんが信じて待ってるから、がっかりさせないようにちゃんと自分で起きるぞ」って思うようになる、それがもっとも効果的なんじゃないかと思うようになったわけです。

私の方も方針はシンプルです。「時間になれば娘たちは起きてくる」と信じるだけです(もしくは信じるフリ、というか信じている自分という前提で行動するだけです)。信じるのは信じる人の勝手なんで、そういう風に思考をコントロールすればいいし、なんど騙されても(まぁそこまで深刻な事態ではないですが)、信じ続ければいいということです。

もちろん、いくつかのよろしくない副作用もあります。まずは実際に遅刻します。それは学校という組織、そして何よりも遅刻して参加するクラスの先生や生徒に失礼です。親としては、そういう状況の発生を許してしまうわけで、世間様の視点からすると親失格なのかもしれません。

まとめ

というわけで、土曜日の朝のパパと娘たちの課題は良い方向に向かうと確信するにいたったわけです。多分、いや絶対に大丈夫です!大丈夫でしょう・・・と自信を無くしてしまうイコール信じていないになるわけです。こういうことも娘たちがいるからこそ、私も学ばせてもらっているわけです。

ところで妻はどこ吹く風で、かっきり時間通り(われわれより2時間ぐらい早く)に起きて、万全の準備をして、同じ日本語学校に先生として通勤しています。