マイクロソフトの「ガレージ」でIntelのEdisonのデモ/勉強会があるというので行ってきた。
EdisonっていうのはIntelが去年発売を始めた切手サイズのコンピューターのこと。IntelのIoT(モノのインターネット)に対する提案がこれなのですね。
ところでマイクロソフトの「ガレージ」っていのは、もちろん車を停めるための車庫ではなく、従業員がいろんなガジェットなどを作ったり実験したりするための部署。設備の予算もあり、プロジェクト等にも予算は出るし、従業員は自由にチームに参加したりプロジェクトを主導したりできる。)
それはさておき、Edison。
最近遊び始めたArduinoとはことなり、Raspberry Piと同じような「小さなコンピュータ」である。Arduinoはあくまでもマイクロコントローラーであり、あらかじめロードしたコードがループ内で実行をし続け、接続されたセンサーやデバイスと連携をとる。もちろん、シールドと呼ばれるコネクタで簡単に繋げて拡張できる仕組みを使えば、例えばSDカードを利用して記憶媒体を加えたり、WiFiやBluetooth機能を加えたりも出来る。当然サイズはさらに大きくなる。
その点、EdisonのサイズはSDカードより一回り大きいぐらい。
そして、この中に、CPU、メモリー、WiFiアダプター、Bluetoothアダプター、などが詰め込まれている。シールドや電子パーツなどを付け足す必要はない。全部入り!
OSはLinux。当然汎用コンピューターとして、様々なプログラムやアプリケーションを実行できる。
無いのはモニターに繋げるビデオアダプターぐらいで、それ以外はいわゆるパソコンやコンピューターと呼ばれる機能をすべて持っている。
こういう形態のコンピューターを「Systems on a chipd」略して「SoC」と呼ぶらしい。
この切手サイズのコンピューター、外部との接続は70のピンが配列してある、小さなコネクタで行う。小さすぎて、個別の電子パーツなどを繋げるのはほぼ不可能。
なので、少なくともプロトタイピングの間は、その70のピンを人が扱える大きさにしてくれるような仕組みが必要。
そのためにはEdisonの倍ぐらいの大きさの「Breakout Board」というものか、まるでArduinoのように扱える「Edison kit for Arduino」というのを買ってきて、Edisonを組み込まないといけない。
Breakout Boardに関してはこの記事が詳しい。
Arduino用のキットに関してはこのチュートリアルが分かりやすい。
プロトタイピングはPCに繋いで簡単に出来るもよう。
ガレージのデモではNode.jsを用いてツイッターのAPIと連携してツイッターに特定のハッシュタグが投稿されるとリレーに接続されたアウトプットのピンに電圧がかかり、リレーに繋がった猿のおもちゃが動く、というものだった。それを実装するコードは20行足らず(Node.jsのライブラリーを使用していたから、というのが大きい)
WiFi機能があるおかげで、物理的なセンサーだけでなく、インターネットから「状態」を感知し、それを処理することが出来るわけだ。逆に物理センサーからの入力を、例えば別のサーバーにXHRでポストしたりすることも出来る。ドアの前にモーションセンサーを仕掛け、お客さんが通るたびにツイートしてもいいし、温度センサーの値を毎分サーバーに送ってもいいし、工場内の各所で空気の質を図って空調の性能を評価してりも出来るし、可能性はまさに無限です。
これが一体何を意味するのか・・・ 今後、ものすごい量のデータがネット(クラウド)に蓄積され、それらの膨大な量のデーター(ビッグデータ)を処理してなんらかの人にとって有益な判断(ビジネスインテリジェンス)を得る、そういうモデルが加速度的に構築されて行く。その結果、社会がものすごい勢いで変わっていくことになる。
今はコストが高いけど、当然これはいつの間にか信じられないぐらい安くなる(最初に買ったUSBメモリーにいくら払ったか覚えていますか?)
まずは、電源を得られるモノはありとあらゆるものがインターネットに繋がる。人が扱うモノで、今まで電気とは無縁のモノすら、電源が供給されインターネットとつながるようになる(ドアのロックが最近電源を得ましたね・・)
すごいことになりつつあります。