シアトル生活はじめました

20年以上すんだ東海岸から西海岸に引っ越してきました。MicrosoftのUniversal Storeで働いてます。

AIが人間の仕事を奪うというのは翻訳という仕事においては正しい

マイクロソフトのAzureクラウドサービスに「テキスト翻訳API」というものがあります。使い方は簡単で、翻訳したい文章と翻訳したいターゲット言語を指定するだけです。ターゲットの言語はひとつでも複数でも同時にやってくれます。試しにこの段落をドイツ語、フランス語、そして英語に翻訳してみました(ちなみに原文の言語は勝手に判定してくれるので、指定する必要はありません。)

ドイツ語

Im Microsoft Azure Cloud-Dienst gibt es eine "Text-Übersetzung API". Es ist einfach zu bedienen, geben Sie einfach den Text an, den Sie übersetzen möchten, und die Zielsprache, die Sie übersetzen möchten. Die Zielsprache kann gleichzeitig eine oder mehrere sein. Ich habe versucht, diesen Absatz in Deutschland, Frankreich und Englisch zu übersetzen (übrigens wird die Originalsprache ohne Erlaubnis beurteilt, so dass es nicht notwendig ist, sie zu spezifizieren.) )

フランス語

Il existe une «API de traduction de texte» dans le service Microsoft Azure Cloud. Il est facile à utiliser, il suffit de spécifier le texte que vous souhaitez traduire et la langue cible que vous souhaitez traduire. La langue cible peut être une ou plusieurs des mêmes en même temps. J'ai essayé de traduire ce paragraphe en Allemagne, en France et en anglais (en passant, la langue d'origine est jugée sans permission, il n'est donc pas nécessaire de le spécifier.) )

英語

There is a "text translation API" in the Microsoft Azure cloud service. It's easy to use, just specify the text you want to translate and the target language you want to translate. The target language can be one or more of the same at the same time. I tried to translate this paragraph into Germany, France, and English (by the way, the original language is judged without permission, so there is no need to specify it.) )

ドイツ語とフランス語は分からないけど、英語の役を見る限りは、最後の文がちょっと微妙ですが、大筋では正しく翻訳されてます。

この「テキスト翻訳API」への詳細は以下のリンクから。

azure.microsoft.com

このサービスを使うために必要なコードも、とても簡単です。誰でも書けますし、どんなプログラミング言語でも書けます。雰囲気だけでもわかってもらえるようにC#で書いておきます。

using (var client = new HttpClient())
using (var request = new HttpRequestMessage())
{
    request.Method = HttpMethod.Post;
    request.RequestUri = new Uri(serviceEndpoint);
    request.Content = new StringContent(requestContract, Encoding.UTF8, "application/json");
    request.Headers.Add("Ocp-Apim-Subscription-Key", key);
    HttpResponseMessage response = await client.SendAsync(request);
    var result = await response.Content.ReadAsStringAsync();
}

というようにAPIを利用することで、カジュアルな文章ならもうほとんどAI翻訳で95%ぐらいは意味が通る訳が出来るんじゃないでしょうか?もちろん、まだ全部AIに丸投げというのはちょっと不安なんで、人間のチェックが入るという点では人間の仕事は数%レベルで残るでしょうが、それもAI翻訳の精度が上がるに従って減っていく運命にあるでしょう。後は、0から最後まで人間がちゃんとやらないといけないとされるような文章(契約とか?)は残るでしょうが、それも限定的でしょう。

ところでどのぐらいの規模の仕事が減っていくのかというと、AI翻訳サービスにかかる料金からなんとなくだけど想像することが出来そうです。

f:id:watanabe_tsuyoshi:20181209061638p:plain
Azureのテキスト翻訳サービスの料金体系

例えば月々2000ドル(22万5千円)ぐらのプランだと、2憶5000万文字ぐらいを毎月翻訳できます。小説1冊の文字数を10万文字とした場合、毎月2500冊の小説を翻訳できるぐらいの能力ってことになります。月給22万ぐらいで毎月2500冊(毎日80冊ぐらい)をざっくりでいいから翻訳できる人(しかも世界中のほとんどの言語を熟知しているレベル)、いませんよね・・・。

もう呆れるぐらい、AIにやらせる方が全然安い、ということになりますね。そんな相手と仕事の取り合いをしても勝てるわけありません。