シアトル生活はじめました

20年以上すんだ東海岸から西海岸に引っ越してきました。MicrosoftのUniversal Storeで働いてます。

アマゾンの「ガレージに配送してくれるサービス」を使わない理由が見当たらない

家屋内配送サービスとも呼ばれ、正式名称は「Key by Amazon」。

 

japan.cnet.com

 

家屋といっても我が家で利用しているのは、アメリカでは一般的な「ドアのあるタイプのガレージ」を活用するものです。具体的には、アマゾン配達員がガレージドアを開けて、配達物をガレージ内の適当な場所に置いて、ガレージドアを閉めていってくれます。

ところで家屋だけでなく「車のトランク」に荷物を置いて行ってくれるサービスもあるそうですし、元々は「家の中」に置いて行ってくれるサービスとして始まったらしいです(でもこれはかなり抵抗感があったと聞きました。どのぐらい普及してるかは分かりません)。それも「リモコンで開くドア」という条件を見てしていれば原理は同じことだと思います。

いったいどうやって配達員はドアを開ける?何か秘密の暗証番号か何かを予め伝える?なんかよく分かりませんよね。そうなんですよ・・・使ってみるまでは。今年(2019年)の5月頃に利用開始したんですが、よく分からないからとりあえず使ってみよう~ってことで始めました。

軽い気持ちで使ってみよう~って言いましたが、これにはワケがありまして、実は春先にガレージのドアを開けっぱなしにしている間(在宅中)に「妻の先生用のバッグ」と、さらに深刻なことに「私の釣り用のバッグ」が盗み出されるという事件があったのです。

今住んでいる家は新興住宅地で、すべての住人が新規なので誰が誰だか全く分からない、そういう状況を悪用して、しれーっとガレージの前に車を停め「バッグだけ」盗み出すという手口で近所を荒らしまわっていたようです。ちなみに、新興住宅なので、これまたアマゾンのRingというカメラ付きドアベルが全部の家についているので、盗人の姿が別の家のカメラに収まっていました(白人の女でした。オレのお気に入りだった、もう売ってないCRNTの釣り用ナイフ返せ~~!)

最近は本当に置き引きは多いらしく、高価なものを狙っていろんなところを巡回しているようです。

話を戻して、簡単なQ&A形式で半年間使ってみた使用感なども含めて紹介したいと思います。

Q 何を購入しないといけないんですか?

「myQ(=Key by Amazon)」対応のリモートガレージオープナーを買わないといけません。僕が買ったのは Chambelain というメーカーのもので、今安売りで$30になってます。このメーカーの「myQ」というスマートホームの仕組みを利用して「Key for Amazon」が成り立っているので間違いないと思います。

それとアマゾンプライムに入っていることが前提になります。

Key for Amazon というiOSアプリ(Androidは確認してませんが、あるでしょ)を使いますが、アプリそのものは無料です。

Q 我が家のガレージにも使えますか?

ガレージにすでに付いているガレージドアを開けるオープナーのメーカーと機種によります。購入するリモートガレージオープナーが、それをサポートしているならオッケー。うちはGinie というメーカーのものです。あらかじめ調べて買いましょう。

他にもガレージドアオープナーを新調して、WiFiに直接繋げられる(そして当然myQ対応のもの)にしてしまうという方法もあります。(その場合、このブログで紹介する本体=ハブを取り付ける必要はなくなります)

Q リモートガレージオープナーの取り付けは面倒くさかったですか?

うちの場合は簡単でした。リモートガレージオープナーは2つのパーツから成ります。

まずはこの本体(ハブ)を設置します。これはすでに設置してあるガレージオープナーが「ごく普通のもの」の場合、それをネットに繋げる役割をします。

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この本体設置で重要なのが

  • 設置場所にWiFiが届くかどうか
  • 設置場所の近くに120V 電源アウトレットがあるかどうか

この2点です。ただ設置場所はガレージ内のどこでも構いません。この機種は天井に着けることを想定したデザインになっています。

この本体は以下のような機能があります

  • WiFiネットワークに参加してアプリからの操作を可能にする(これはスマート電球やスマートスイッチなどと同じ仕組みですね)
  • 既存のガレージドアのモーターと通信してドアの開け閉めの操作をする。つまりこの本体が中継をして、ガレージドアの操作をしてくれるのです。アマゾンが配達のためにガレージのドアを開け閉めできる秘密はここにあります。
  • 付属の「ドアが開いているかどうかを判定するセンサー」と通信して、現時点でのガレージドアの状態を把握します(下記参照)
  • ガレージドアが閉まる時に、事故防止のためのアラーム音と光の点滅機能が付いています。普段の使い方ではなく、アプリを使ってガレージドアを閉める時に限りこの機能が作動します(写真の本体にライトが埋め込まれているのが分かるでしょう)。

既存のガレージドアオープナーとこの本体を接続しないといけませんが、その手順はちょっと忘れてしまったんですが、特に難しくなかったです。要するに普段使っているような手に収まるサイズのリモコンをもう一つ付け加える感じです(車についているボタンでガレージドアの開け閉めが出来るように設定したことがある人は想像つくと思います)

「ドアの開閉の状態」はこのパーツをガレージドアに直接取り付けることで判定できるようになります。

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これはドアの内側で、ドアが全開になったときに真横に寝るような位置に取り付けます。これは電池なので、取り外しが出来るようになっています。

Q アプリの設定は面倒ですか?

これも簡単です。myQというアプリをダウンロードしたら「デバイスを加える」というメニューに従って、自分のリモートガレージオープナーを選んで設定をします。

あと、Key by Amazonのアプリも必要です。これはアマゾンプライムのメンバーとしてログインします。その後、Key by Amazonアプリ内で、myQのアカウント情報を加えます。これでアマゾン→ ガレージオープナーの経路が出来、アマゾンにドアの開け閉めをさせる仕組みが出来上がります。

Q アマゾンにどうやって宅配物をガレージに置くことを指定するんですか?

普通にアマゾンで購入してチェックアウトするときに、「In-garage delivery」のオプションがある場合はそのように指定できます。それ以外のものは今までのようにドアの前に置いて行ってくれます。

Q アマゾンの配達員に秘密を知られて後から悪用されませんか?

具体的な仕組みはよく分からないけど配達員にはなんら秘密は教えることはない、とあります。配達員が配達物をスキャンして、その際に「ドアを開けること」を依頼すると、アマゾンのシステム側が登録済みの情報をもとにmyQの仕組みを通してガレージドアの開け閉めを操作し、配達員は配達物をガレージ内に置くだけ、という仕組みのようです。

Q ガレージ内に配達されたことは通知されるのですか?

されます。さらに、カメラを設置しておき、そのカメラも登録しておけば、配達員の動きも録画され、それを後から見れるようにもなっているそうです(うちはカメラは置いていませんが)。あとアレクサが教えてくれます。(もういろいろアマゾンに囲まれていてちょっと怖いぐらいですね・・・)

Q 配達時にガレージドアが不具合で開かなかったらどうなるの?

多分ですが、以前のように玄関前に配達、のようです。

Q 配達物を置いてから、ガレージドアが閉まらない不具合があったらどうなるの?

これは僕も疑問なんです。アマゾンのドキュメンテーションを読む限り、専門のチームが居てそれを解決してくれるとありますが実際どうなんでしょうね。でも「開けっ放し」は信用問題以前に盗難被害に繋がります。そのあたりはアマゾンもリスクがあって、それなりの対応チームを準備しているということでしょうか。(ガレージドアを閉めるには究極的にはピンポンダッシュに似た方法があります。屋内のスイッチを押して、ドアが閉まる前に、さらにドア前のセンサーを飛び越えつつ脱出する方法です。うちの娘たちがマスターしてるのでアマゾン宅配員も訓練されているのかな?!)

まとめ

春先の盗難事件を発端にして始めた屋内(ガレージ)配達サービスですが、始めてよかったです。使わない理由がありません。

あと、屋内配達以外にも、ガレージを遠隔で開け閉めできるというボーナスもあります。以前カナダに家族で旅行に行ったときに、お迎えさんからメッセージが来て「お宅のガレージドア全開ですよ?閉めときましょうか?」って親切に教えてもらったことがあります。そのような状態の時に、遠隔でドアの開閉の状態確認と操作ができます。

あと、僕個人としては朝のジョギングに行く時にわざわざガレージオープナーのリモートを持っていく手間が省けました。

注意:YouTubeには「しなければよかった」というエピソードもあります。詳しくは見ていませんが人によってはプライバシー的にもセキュリティー的にもここまでアマゾンに渡したくない、というのもあると思います。配達物を盗まれるリスクなどと合わせて総合的に判断すべきだと思います。