現在14歳の娘たちが持って帰って来た秋からの授業の選択科目リスト。
まるで大学のように、どの科目を学ぶかを自分で選ぶっていうのにも驚きましたし、コース内容の専門性の高さにも驚きました。
面白そうなのを抜き出してみる。
英語(こちらでいう国語)
特に異常なし。普通。でも大切。でも自分は興味ないな~(私が受けるわけではないが・・)
キャリア・STEM教育
- マーケティング 初歩
- リテールストア運営
- ファイナンス
- 育児(?)Child Development
- インテリアデザイン
- ウェブデザイン
- Microsoft オフィス資格
- コンピュータサイエンス 入門
- ロボット工学 入門
- ロボット工学 上級
- エンジニアリングデザイン 入門
- 航空力学(?)入門(Aviation: Intro to Flight)
- 鉄工
- CAD研究室
- ジャーナリズム、ポッドキャスト、ブログ(Vログ=ユーチューバー?)
- リーダーシップ
- ポップミュージックの歴史
- 法律と司法制度
- エコノミクス 入門
マーケティングとかファイナンスとか、将来の「仕事」がちらっと見える科目はいいよね。学校を出たらどう使うか、ってイメージが出来ると学びやすいし。
デザイン系で、アートのセンスを活かせるコースがあるのはうちの娘たち(絵描き)は嬉しいかも。
しれっとMicrosoftのオフィス資格クラスがある。でも資格好きの日本もこれじゃなくてもいいから正式な授業にあってはならないとは限らないよね。その辺の柔軟さが興味深い
ロボット工学とかも、実際にものを作りながら勉強するから理科(電気、物理)などの理解が深まると思う。そういう有機的な学習の方が効率的。
コンピュータサイエンスは当然、娘たちに推しましたが、まぁいつでも教えられるし、何度か私がやった micro:bitの授業にも出てるし、好きならやればいいかな。
「CADのやつ取れ!一緒に3D印刷して遊ぼうぜ」と言いました。割と「うん、取ろうと思う」って反応だったんで、一緒に遊べそうで嬉しい。
ジャーナリズムは、紙や電波媒体から、デジタル媒体に移行してるのが見えますね。時代に即して学校で学ぶ内容を変える、というのの典型ですかね。ブログ(Blog)に加えてVlogもあります。つまりはユーチューバー育成、とまではいかないけど、動画配信は主要なメディアになったことの現れですね。
楽しそうですよね?! 自分が15、6歳の時にこういう授業があったら楽しかったろうな~って思います。羨ましい!
もう一枚ありました。
体育
- バスケ
- バレー
- 野球・ソフト
- アウトドア・アドベンチャー(!)
- ラケットスポーツ(う~ん、いろいろあるぞ)
- 筋トレとフィットネス
- チームスポーツ(これも、いろいろあるな)
- フィットネスのための徒歩(?)
- ヨガ・ピラティス
日本だと、体育でまんべんなくやるから、たいていのスポーツをそこそこに出来る日本人が育ちますが、アメリカは種目を選ぶので、好きなスポーツが上手になる仕組みかな。
徒歩(Walking)とかは「運動苦手」の人たちの受け皿になるのかもしれない。それはそれでいいともう。運動が苦手なのはしょうがないし、それなのに「出来ない」というネガティブな自己否定感を持たなくて済む。
算数・数学
データとAIの時代ですから、統計確率を推したけど、妻は微積が面白いと親の意見は分かれた。私は算数・数学は日本の高校で落ちこぼれて、アメリカに来てコンピュータサイエンスでちょっと自信を取り戻して、現在一生懸命追いつこうと頑張ってます。一生勉強出来るんだからまぁこういうエラーというか上手いこと行かなかったことも人生にはありますね。
サイエンス・理科
普通に、生物、化学、物理、それからバイオテクノロジーと環境科学はちょっと新しい感じがする。
私は生物が大得意だったんですが、なぜ出来たかというと教科書に載ってるイラストを片っ端からノートに正確に「模写」してたら良く理解出来てたって話。イラスト屋の娘たちにもおすすめしたけど・・・あんまり響いてなかったな。
本人らは化学がやりたいらしい。混ぜたり捏ねたりなんか作るの好きだからいいかもね(すごい偏見)
美術・音楽・パフォーマンス
- 演劇
- 演劇技術(?)
- ミュージカル
- ドローイングとデザイン
- アート
- セラミクス(陶芸?)
- デジタル写真
- グラフィックデザイン
- 建築デザインラボ
- コーラス x 3
- ジャズアンサンブル
- ギター
- ピアノ
- 室内オーケストラ(?)
- 演劇オーケストラ(?)
- 弦楽オーケストラ
- 交響楽団(?)
- 管弦楽団(?)
娘たちが大好きな分野。選択も簡単だったみたい。バイオリン弾きのふたりはとりあえず弦楽合奏。絵もイラストも好きなんでグラフィックデザインらしい。
面白いのが、演劇とコーラスは一切興味なしだと。完全にスルー。
ここまで来てふと気づくのが、これって日本の部活だよねってこと。アメリカは部活の代わりに授業でやっちゃうってことですね。
外国語
フランス語、ドイツ語、スペイン語、日本語、そして手話。
娘たちは当然日本語ペラペラなんで、日本語ならテストを受けて単位をもらって終わりらしい。授業には出なくていいのでその分時間が空くというわけ。
今まで、アメリカで生まれて、ボストンとシアトルで日本語補習校に週末を犠牲にして通って、やっとその見返りが~!みたいな雰囲気になってます。でも本人は授業でアシスタントみたいなこと出来るならやりたいな~みたいな感じもある。というのも日本語を学びたい友達も多いらしくて(そしてその多くの動機が「アニメを日本語で観たい」だと・・)。
日本の部活の重要性
こうやって見てみると、日本だと「部活」として生徒達が触れる機会を得ているものがおおいと思った。
おおけさだけど、日本の学校生活から部活を取ったら日本たぶん終わるな~っと思った。逆に、部活だと学校のシステムからある程度離れて自由に活動内容を決められるから、深く学ぶ機会にもなるでしょうね。例えば熱心で有能な先生がロボット工学を部活として進めたらそれはそれないに良いでしょうし。でも逆に、そういう先生や指導ボランティアに依存してしまうのも弱点で、アメリカ式にちゃんと資質のある人を配置する方がいいのかもしれない。
学校の先生は部活にも携わって疲弊する人も多いと聞きますし、その辺のバランスを取らないといろいろと上手くいかなくなるのかな。
日本の公立学校はもうすこし専門性のある授業を・・
どうでしょうね。2020からプログラミングの必須化ですが、それも流れとしては良いことだと思いますが、なんかまだ抽象的なんですよね、アメリカに比べてみると(私の勉強不足かもしれないので断言は出来ませんが)。
なんというか、「横並び」の加減調整が必要かな、と思うんです。体育とか見ても分かりますが「まんべんなく」方式の割合をちょっと減らして、「やりたいものをやる」方式の割合をちょっと上げていった方がいいと思うんです。
まぁ、そういうのをなかなか変えられない、というのが日本なんでしょうけど。
補足・お断り
タイトルでは中学3年と書きましたが、日本だったら中3の年齢ということです。こちらの中学は2年生までなので、ハイスクールでの科目です)
あと「アメリカ」っとひとくくりに言ってますが、あくまでもサンプルのひとつであって、全体のことではないです。アメリカの公立学校のシステムは州によっても、学区によってもいろいろ違うようで、正直よく分かりません。ただ、全体を傾向を推し量る材料にはなると思います。