シアトル生活はじめました

20年以上すんだ東海岸から西海岸に引っ越してきました。MicrosoftのUniversal Storeで働いてます。

シアトル イカ釣り初心者ガイドブック(パート2)計画編

シアトル イカ釣り初心者ガイドブック

パート1 準備編からの続きです

パート3 実践編に続きます

どこに行けばイカ釣りができますか?

シアトル近郊でイカを釣るには「釣り桟橋」と「ボート」の2つがあります。ここでは釣り桟橋に限定して、いくつか紹介します。

Seacrest Park Pier

シアトルのすぐ南にある釣り桟橋はイカ釣りの人気スポットです。向かいのシアトルの夜景を眺めながらイカ釣りができます。スペースもある程度あるのでグループで行っても大丈夫ですが、混雑する時はやや暗い位置しか空いていないという状況になるでしょう。

Edmonds Fishing Pier

ここはシアトル近郊では長めの釣り桟橋で、シアトルから北に車で25分ぐらいの位置にあります。ピーク時には軽く100人以上の人でひしめき合うこともあり、ある程度の混雑は覚悟しておかなくてはなりません。ただそういう時は、暗いところでも釣れます。釣り桟橋には魚を捌くための Cleaning Station が3箇所ぐらいにあり、水道を使うことが出来ます。塩水に対応していないリールなどはここで洗うことが出来て便利です。また、それぞれのステーションには家庭用と同じ120V電源アウトレットが4つずつあるので、それにライトを繋ぐことも出来ます。(出来ない場合は発電機やバッテリーを使う人も多くいます)

Shilshole Bay Marina - Eddie Vine Boat Ramp の横 

この桟橋はとても小さく、おそらく10人も入れません。それだけに、あまり大勢の人が押し寄せることもないので、早めに来て場所を確保できればイカ釣りは出来ます。ライトを繋ぐ電源がないので、ライト持参の場合はポータブルバッテリーなどが必要です。ただ、ひとつ利点があるとするとマリーナの堤防のおかげで強い波や潮が押し寄せてきません。

Les Davis Pier

ここは私が住む街からはやや遠いので行ったことは無いですが、よく釣れる場所のひとつだそうです。T字型の両端に人が集まるそうですが、おそらくはその間の位置でもある程度は釣れると思います。

(電源の有無は分かり次第、更新します。)

いつ行けばイカが釣れますか?

イカ釣りのシーズンは大体9月ぐらいから1月ぐらいまでです。ピークは10月11月ぐらいでしょうか。シアトルの北か南でも釣れるタイミングが多少違うようです。一般的には北から始まると聞きましたが、北が全く釣れてないのに南では爆釣しているということもあり、年によって違うようです。

シーズン初めの頃のサイズは全体として小さめですが、10月11月ごろにはサイズがどんどん大きくなっていきます。1月ごろはかなり数が減ってくるそうですが良いサイズが釣れるそうです。

イカ釣りに行くベストタイミングを知るにはFacebook グループ「Washington Squid Fishing」に登録することをお勧めします。

イカは昼でも釣れますか?それとも夜が良いですか?

釣り桟橋から釣る場合は、暗くなってからの方がよく釣れるようです。明るいうちでも釣れる事はあると聞きましたが、短時間のうちにたくさん釣果を上げたいのであれば、夜の方が良いでしょう。

一口に夜と言っても、夕方の5時6時代、夕飯時の7時~9時、夜半前から深夜、さらには夜半過ぎから夜明け直前までなどと、チョイスはたくさんあります。シアトルは冬至に向けて、日没の時間がどんどん早くなるので、イカ釣りの時間帯が増えるのは嬉しいです。

この中でどの時間帯が1番釣れるかと聞かれれば「やってみないとわからない」と答えるしかありません。7時から始めて9時ごろにはリミットの10パウンドが釣れてしまったり、6時に来て全く釣れてなかったのに、10時ぐらいから急に釣れ始めたりと、毎回違います。

私が釣り仲間との間で「フィーバー」と呼んでいる爆釣タイムの時にたまたま居合わせたかどうかで釣果に違いが出ます。フィーバーの時は、仕掛けを投げ入れたらほぼ入れ食いでイカがかかります。ほぼ休むことなく何十匹もイカを釣り続けることが出来ます。これは大きなイカの群れが来た時に起こります。

ただフィーバーに居合わせなかったとしても、シーズンのピーク時は全体としてイカの数が多いので、15分に1匹といったようなスローペースだけれども、平均的にどの時間帯でも釣れると言う日もあります。

ちなみに私は5時間粘って1匹も釣れなかった事もありますし、2時間程度でリミットしてしまったこともあります。(ボートで釣りに出ると一時間ほどで全員リミット、ということもあるそうです。)

夜の何時ごろが一番混みますか?

おそらく、夕食が終わった7時8時位から、眠くなる10時11時ぐらいが1番混見合うと感じます。12時を過ぎるとシーズンのピーク時でも多少、人と人の間に余裕が出てきます。ピークをずらして行くと、良い場所は空く確率も上がるので、悪い作戦ではないですね。

私は混雑を避けて11時以降から釣ることもありました。逆にまだ薄暗いうちから来て、良い場所でスタートすることもあります。

週末は混みますか?

平日よりもかなり混みますが、シーズンのピーク時は平日でも割と混んでいます。あまり気にせずに、時間があれば行ってみるべきです。イカ釣りは、混雑を避けることはかなり難しいですし、混雑していない時は大抵釣れないということです。

干潮と満潮とどちらがよく釣れますか?

どちらの状況でも、イカの群が来ていれば釣れるようです。私は個人的にはあまり潮の満ち引きは気にしていません。ただ、満潮に向かう時間帯のほうがよく釣れると言う人もいます。潮流に乗って、イカの餌になる小魚の群れが岸のほうに来るので、イカの群れもそれを追ってくると言う理屈だそうです。

イカが釣れるかどうかは別として、イカ釣りをしやすい時間帯としては憩流(潮の向きが変わる時間帯 - slack tide)があります。例えば満潮から潮が引く時点のことで、その時は暫しの間ですが海は湖のように「流れが無い状態」になります。イカ釣りに限らず、この時間帯は仕掛けが流されないので釣りをやりやすいのです。

潮の流れがない状態にはもう一つ利点があります。潮の流れがある時、仕掛けは右が左のどちらかの方向に(その時々の潮の方向による)流されてしまいます。そうすると自分の仕掛けは隣の人か、さらにその隣の人の目の前まで流れていきます。それは同時に、自分の目の前に他の人のの仕掛けがくると言うことです。こういった状況では、仕掛けどおしが絡まったりするトラブルが起こりやすくなります。潮の流れがない時は、こういったトラブルが最小限に抑えられます。

予報で風が強い時は中止した方が良いですか?

風が8mph以上だと、風の向きにもよりますが、かなり釣りづらくなります。風速が10mph以上の時は、風の向きにかかわらずイカ釣り以外のことをしたほうが無難でしょう。それでも、そんな強風でもイカ釣りをしている人はいます。

どうやってイカを釣りますか?

釣れる場所の確保

まず1番重要なのが場所です。例えば釣り桟橋に来たとして、通常は、よく釣れるところとあまり釣れないところがあります。端的に言うと「明るいところ」の方がよく釣れます。これは厳密に言うと、小魚の群れが引き寄せられる光源の近くが釣れると言うことです。その小魚を狙ってイカが集まってくると言うわけです。

では明るくないところは全く釣れないかと言うと、そうとも限りません。釣り桟橋全体に、沖からイカの群れがやってきているのであれば、人間が暗いと感じる場所でも、その海一帯から見れば明るい場所かもしれません。特にフィーバーの時などは、光源から離れた場所でもよく釣れることもあります。

ライトのすぐ近くが一番釣れますか?

ライトの真下、光が煌々としている明るい部分にはイカはあまりいないようです。もちろん、イカの大群が目に見える所で泳いでいることもありますが、そういう場所にしかいないとは言えないと思います。むしろそのさらに下や周辺の、光が届かなくなっている深いところにたくさんいる印象です。

たまに、一番明るいところめがけてジグを投げて、明るいところだけでイカを釣ろうとしている人もいますが、おそらくはそれほど成果は上がっていないでしょう。イカは暗闇に潜んで獲物を待っているとも言われます。光源から少し離れた方が良いかもしれません。

また、イカまぶしい光に弱いという説を友人に教えてもらったことがあります。イカは目の構造上、強い光を嫌がるのだそうです。

どうやったら良い場所を確保できますか?

1番簡単な方法は自分が「照明機材と発電機を持っている人」になることです。ですがこれらの機材を揃えるのはコミットメントが大きすぎるでしょう。まずは常連の人たちが持ってくるライトの恩恵に預かるようにしてみましょう。

ライトの周りにはすでに人でいっぱいになっていることでしょう。たまに運良く、場所が空くかもしれません。もし空きそうにないなら、グループの端で釣り始めます。誰かが抜けるたびに、全員が少しずつライトの方向にずれていくことになります。しばらくするとよく釣れる場所に移動していたということになります。

ジグの付け方

一般的なジグの付け方を紹介します。いくつかありますが、お勧めするのは「ジグ1個の仕掛け」と「ジグ2個の仕掛け」です。それ以外にも「重り無しジク+オモリの仕掛け」もあります。

なお、どの方法でも「目印のウキ」をつけるかどうかはオプションです。(以外の図では省略しています)。つけるとすれば、メインラインに一番最初に通しましょう。

ジグ1個の仕掛け

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メインライン → スイベル → リーダー → 重り有りのジグ、の順番に接続します。リーダーの長さは20センチから30センチ位。結び方は好きなやり方で構いません。僕はユニノットを使います。

ジグ2個の仕掛け

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メインライン → スイベル → リーダー1 → 重り無しのジク → リーダー2 → 重り有りのジク。リーダー1の長さは5インチぐらい(無しでもよい)。

リーダー2の長さは12インチ程度。

上のジグにイカがかかった時、下のジグに当たらないぐらいの間隔を置くと良いです。

重り無しジク+オモリの仕掛け

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これはジグ2個の仕掛けとほとんど同じで、一番下に普通の錘を使うだけです。一番下にフックが無いので、底に当たっても根がかりしにくいのが利点です。どうしても失くしたくないジグを使う時はこのやり方は安心ですね。

ジクはいくつまでつけて良いのですか?

ルール上は4つまでだそうです(ソース:WDFW)。ただ4つもつけると、仕掛けのラインが絡まる確率も増えますし、仮に4つ全てにイカがついてきたとしても、それを取り外す作業に時間をとられて、結果的には効率が悪くなってしまうかもしれません。

フィーバーが来てる時はジグ1個だけで、効率よく手返しできるので充分です。ジク2個までなら割と簡単に扱えますが、それより多いと問題発生した時に面倒になると感じます。

私は2個のやり方で、上の重り無しジグはやや小さいものをつけます。

ジグの色は関係ありますか?

個人的には、色はあまり関係ないような気がしますが、無いよりはあった方が良いし、色で違いが出るという人もいます。また、イカは青や紫しか見えていないと聞いたことがあります。ということは青系のライトで照らさない限り、イカはジグを黒いシルエットとしか見えていないということになります。この辺りはよく分からない分、自分なりにいろいろと試す楽しさがありますね。

色よりも蛍光・蓄光塗料が塗ってあって、海中でもぼんやりと光を放つかどうか、光が反射しやすいかどうか、等の方が重要だという人も大勢いますし、おそらくそうでしょう。ただ、そうでないと釣れないということもありません。実際の餌である小魚は発光しているわけではありませんから。

私個人の意見ですが、イカをうまく釣るための要素を重要なものから並べると、場所、ジグの大きさ、ジグの動き、ジグの形、ジグの発光や光の反射、そして色だと思っています。

ただ、答えは人それぞれなので、色々と試してみると面白いです。

日本のエギでシアトルのイカは釣れますか?

エギを使っている人をたまに見かける事はありますが、それを使ってたくさん釣っている人は見た事はありません。シアトルのイカは、エビではなく小魚を食べているのではないかと思われます。だとしたら小魚の形に似た、スッテのようなルアーの方が釣れるのかもしれません。

シアトルのイカはあまり大きなルアーには興味がないように思えます。一般的なサイズのエギはシアトルのイカには少し大きすぎるのかもしれません。もし小指ほどの小さなエギがあるのであれば試してみる価値はあるかもしれません。

パート3 実践編に続きます