シアトル生活はじめました

20年以上すんだ東海岸から西海岸に引っ越してきました。MicrosoftのUniversal Storeで働いてます。

このパスワード必須の時代、つべこべ言わずとりあえず1passwordアプリをインストールしてサブスクを始めるべし

結論

前書きが長くなりそうなので結論から。

とりあえずパスワードマネージャーのひとつである1password をあなたのスマフォとPC(WindowsもしくはMac問わず)にインストールして、Familyプランに入って使い始めましょう!

1password.com


もちろんこのアドバイスはかなり乱暴です。必要無いという人もいるでしょうし、必要だとしても1password 以外の選択支もたくさんあります。

あなたはどれかに当てはまりますか?

ただこの投稿がリーチしようとしている人のプロファイルは以下のいずれかに当てはまる人です。あなたはどれかに当てはまっていますか?

  • パスワードの管理において、やってはいけないと言われていることを結構やっている(パスワードの使いまわし、パスワードを紙に書いて保存、簡単に推測されそうなパスワードを使っている、パスワードの更新は最後の数字を1増やすだけ、等々)
  • パスワードの管理がストレスのひとつ。ブラウザに覚えさせているけどたまにパスワード入力を求められたりすると軽いパニックになって不安になる。
  • パスワードを打ち込む時に入力ミスをよくしてしまい、アカウントからロックアウトされることがたまにある。アンロックしてもらうためにサポートに電話したり、必要な時にサービスが使えなかったりした経験があって不安を感じている。
  • パスワードはきちんとベストプラクティスに沿って堅牢なものを設定し、それをまとめて外部からアクセスできない自分だけのクラウドに入れたりしてバックアップしている。ファイルもちゃんと暗号化している。ただし、パスワードを更新したりしていくと、どれが最新のものか分からなくなってきて、たまに入力ミスしてロックアウトされてしまう。
  • 子供たちがそろそろ自分たちのアカウントを作ったりし始めて、それの管理をしたり、子供自身が管理をし始めるようになってきた。しかも子供も自分もうまく管理できてなくて、ログインやパスワードリセットなどで面倒なことになる状況が頻繁に起こるようになった
  • 自分が死んだときに配偶者や家族が、自分が管理してきた保険とか銀行とか信託とかのアカウントにちゃんとログインできるかどうか不安。そうならないためにと、やってはいけない「パスワードリストを印刷」して渡したりしている。
  • パスワードを設定するのが面倒なのでオンラインのサービスアカウントはあまり作らない。便利そうなサービスがあってもパスワード設定の画面でやめてしまう。機会損失が起こっている。
  • パスワードは全部Chromeブラウザに覚えさせている。でも他のブラウザを使う時にパスワード入力が必要でいちいちChromeの設定からパスワードリストを見なくてはいけない。(実際のところChrome、Edge、FireFoxなどのブラウザにパスワードを覚えてもらう方法はまさに1passwordなどのパスワードマネージャーの利便性とほぼ同じ。というかChromeの場合はGoogle パスワードマネージャーというサービスがその実体です。ブラウザがChrome一択なら実はそれはそれで問題ではないです。ただ次のプロファイルも考えてみてください)
  • 機密情報としてパスワードの管理はブラウザに全部保存しているし、クレジットカード情報も同様にブラウザに覚えさせているけど、それ以外の情報、例えばメンバーシップ番号や銀行口座番号、各種免許書や証明書の写しなど、それらの個人情報はバラバラに物理的もしくはデジタルの状態で管理していて、必要な時に取り出す作業のコストが高い。
  • 仕事柄、いろんなサービスの新規アカウントを作成する。その数軽く数百。中には割とどうでもいいサービスもあるけど、それらにもいちいちパスワードを設定しているので管理しなくてはいけなパスワードの数がとにかく多い。(これは僕にも当てはまります。少し前はちょっと気になる新しいサービスが出てきたらとりあえずアカウントを開けていたものです。そして、それらの多くはすでにサービス終了している。そんな誰も管理していない会社のハードディスクに詰まった、パスワードを含む個人情報は、いったいどうなってしまうんでしょうね・・・まぁパスワードを平文で保存するような会社はそもそも存在してはいけないですが・・・)
  • (上級者なので) パスワードを設定する代わりに、オプションとしてあればFacebookGoogleMicrosoftなどのアカウントでSSO(シングルサインオン)を利用するのでパスワード管理のプレッシャーはやや低い。ただし、どのサービスでどのSSOを使ったか分からなくなって、不必要なSSO承認をしてしまうこともあるし、ログインの際にも迷ってしまう。

1passwordを入れると起こる良いこと

もし上に挙げたプロファイルのどれかに当てはまるようであれば、「1passwordを、つべこべ言わずに即インストール」してみてもいいと僕は思います。では、1password をインストールして月々サブスク代を払ったとしたら、いったいどのようにパスワードに関わることで良いことがおこるのでしょうか?

  • 1passwordといったパスワードマネージャーは「ひとつのマスターパスワードだけ」を覚えることで「他の全てのパスワード」を一切覚える必要が無くなります。「覚えなくてはならないけど覚えられない」という根の問題が解消されます。(後述しますが将来的にはマスターパスワードも必要でなくなる、いやそもそもパスワードマネージャーで管理するパスワードそのものが無くなる時代が来るかもしれません。しかしここでは、最低1個のパスワードは覚えることになるという理解でオッケーです)
  • スターパスワード以外の他のパスワード、例えばFacebookのパスワード、オンライン銀行のパスワード、子供の学校のポータルのパスワード、病院ポータルのパスワードなどなどそれら全てのパスワードを「覚えなくていい」ということはどういうことかというと「覚えるのが絶対無理な複雑なパスワード」を設定できるということです。
  • パスワードを推測されてのアカウント乗っ取りが無くなるか激減します。複雑でランダムなパスワードは機械を使っても突破が困難になります。また、他人に盗み見されても覚えにくくなります。
  • パスワードを頻繁に更新できるようになります。何しろ覚えなくていいので、複雑なパスワードVersion1と複雑なパスワードVersion2の管理コストは全く同じです。なので、1カ月に一回の頻度で更新したとしても問題なしです。仮に漏洩したとしてもすぐに対処できますし、漏洩したものもすぐに無効にできます。使う度に変更したって良いのです。
  • パスワードの使いまわしがなくなります。そもそもパスワードの使いまわしは「個別のサービスやアカウント用の、異なるパスワードを覚えるのが無理」だったのが原因ですが、「覚える必要が無くなる」ので固有のパスワードをそれぞれのアカウントに対して簡単に設定できるようになります。
  • パスワードの入力ミスによるロックアウトがほぼなくなる。覚えられないぐらい複雑なパスワードなので「コピペ」もしくは「自動入力」を使うことになります。自動入力はブラウザ拡張をインストールすればすぐに使えます。スマフォでも設定→パスワード→自動入力をいったん設定しておけば自動で出来ます。
  • 機種変したときのアプリの移行が楽。例えば最新のスマフォに買い替えたとして、アプリもすべてスライド式に移動したとしも、多くのアプリでは再ログインが必要な場合があります。そんな時も、1Passwordに全てパスワードがあるので、アプリに該当するアカウントを探し出して、自動入力させて、ログインボタンを押して終了。それを全てのアプリでやれば機種変時のダウンタイムも最小限にすることが出来ます。
  • 配偶者や子供たちとパスワードの共有が簡単かつ安全に出来るようになります。例えばNetflixのパスワード。家族でネトフリをつかう場合、サブスクしている人(我が家の場合は私)のアカウントとパスワードを用いて家族のメンバーがそれぞれのデバイスでログインします。この場合、1passwordだと共有保管庫というのがあって、そこにネトフリのログイン情報を入れておけば家族はいつでも参照することが出来ます。なんらかの理由でパスワードを変更しても、問題はありません。(1番やってはいけないのが、ネトフリのログインに使いまわしのパスワードを設定し、なおかつ家族と口頭でシェアして、あとはそれぞれに管理してもらう。流出のリスクが高く、同じパスワードを使っている他のサービスへの侵入を許すリスクが高くなります。これを見てドキっとした人は、つべこべ言わずに1passwordを導入した方がいいでしょう)
  • 堅牢なパスワードを「考え出す」作業が要らなくなります。これって地味に時間がかかります。でたらめなパスワードでも良いということで、キーボードをカチャカチャっとやって適当に出来たパスワードに必須とされている数字とか特殊文字とか大文字を入れている人、いたら手を上げましょう!私もやっていました・・・。1password等のパスワードマネージャーにはパスワード自動生成機能が付いています。ルーレットを回す感覚でいくつか作って、適当に良さそうなのを選ぶだけです。
  • 銀行口座とか免許の番号とか出生証明書とか、そういう「いざ必要」というときに「あれはどこにしまっておいたっけ?」とか「あ~、それは家に置いてきた」とか銀行口座の下四桁で1234はどの口座だっけ?とかそういう時にも1passwordに入れておけば、キーワード検索ですぐに呼び出せます。パスワードだけでなくパスワード以外の機密情報も同じやり方で検索して取り出せるのでひとつの手順を覚えるだけで済みます。
  • (上級者なので)SSOをよく利用するとして、それぞれのサービスで、どのSSO(Google だったかFacebookだったか?)と悩むことが減ります。これには、そのサービスごとに1passwordにログインを作っておいて、ログイン名のところにgoogleSSOなどと書いておけば、見たら1発でなにをすべきかわかります。

サブスク料金が気になる

それでも1passwordだとサブスク料金がかかってしまうから嫌だ。買い取りならまだしもずっと払い続けるのはもったいない・・・ど思ってしまう人もいるでしょう。そういう価値判断はもちろん妥当ですし、それが理由で無料サービスをつかったり自分でしっかり管理すると覚悟を決めている人もいるでしょう。そんな人も、以下の点をいったん考えてみてもいいかもしれません。

  • パスワードや個人情報はこの時代のもっとも重要な「もの(資産)」の1つかもしれません。少し前までは現金や有価証券だったかもしれません。家に「金庫」があった、という人は少なくないかもしれません。金庫は安くはありませんよね。当時はそれが極めて重要なものだったのでそこにお金を使うのは当然です。では、今の時代、銀行のオンライン講座のパスワードが洩れてしまうと金庫の中の現金を取られるのと同じような事態になります(まぁ大抵の事故は銀行がカバーしてくれますが)。1passwordに払うサブスク料金は金庫サービスの費用だと思えば良いのです。資産を守るためにある程度お金がかかるのは当たり前、かもしれません。なりすまし被害に遭うよりはマシです。
  • 1passwordのファミリープランの場合でも、ひと月に数ドル程度です。アメリカの場合だ最近はレストランでウェイターさんに払うチップでももっと高いです。利便性に対する対価として考えると、そしてパスワード・個人情報管理にまつわる様々なストレス要因を考えると、それほど高いとは思えないです。
  • 辞めたければいつでも辞めれる。サブスクなので、自分(達)には必要ない、と分かればサブスク中止すればいいだけです。ブラウザを中心とした管理に戻るのも手でしょう。
  • 途中で止めたとしても、少なくともパスワードの「整理(断捨離?)」が出来ます。私も1passwordでの管理に移行した時に、全てのアカウント(300以上ありました)にログインし、パスワードが堅牢なものか確認し、必要に応じて更新しました(いくつかのサービスは消滅していましたが)。それだけでもやって良かったと思えることです。現在、ほとんどのサービスのパスワードは、覚えるのが絶対に無理なランダムで長くて複雑なものにしてあります。
  • 子供たちにパスワードとその管理の重要さを教えられる。ティーンエージャーで、自由にアカウントを作成できる年齢に近づいてきているとして、彼らが今後生きていく世界ではさらに多くのものがデジタルでオンラインになります。そんな世界でどうやって機密情報を守っていくか、そのベストプラクティスのひとつを理解する一助になるかもしれません。

1password 推しだけどお金貰っているの?

もらってません。他にも良さそうなサービスはいくらでもあります。有名どころでは

Bitwarden Open Source Password Manager | Bitwarden

KeePass Password Safe

#1 Password Manager & Vault App with Single-Sign On & MFA Solutions | LastPass

などがあります。料金形態も異なるし、Bitwardenなら無料版もあります(ただし利便性においては「無料版だからそれなり」になります)

私は1password推しなので、このアドレスは偏りがあるかもしれません。他のパスワードマネージャーは使ったことはなく、その評価の情報元は、他所の人の記事です。ただ、ざっくりと読んだ感じでは1passwordは「使い易い」というのが長所のようです。(日本のソースネクストとう会社が代理店で、そこを通して導入すればサポートも受けられるようです)。

とにもかくにも、今この瞬間にも「パスワードと個人情報を危険な状況に置いている」という人は、そこから抜け出すことが一番緊急かつ重要です。その場合、パスワードマネージャーはどの製品でも構いません。例えばいつ溺れるかもしれない状況で、近くにいる船がカヤックかカヌーかモーターボートか、それが有料かどうかなんてどうでもいいですよね?「パスワードの使いまわし」などはまさに溺れる直前、かもしれません。多分今まで無事なのはたまたまラッキーだったから、です。悪用されるのは時間の問題かもしれません。

パスワードが要らない世界が来るって本当?

これは本当です。ただ、突然急には来ませんから、それまではパスワードは必須ですし、完全になくなる世界はまだしばらくは来ないでしょう。

パスワードが無い世界で「私が本人であること」をどうやって示すのかというと「本人の一部(指紋、顔、網膜)など」を使う方法や「本人しか持っていない物(スマフォやPCや特殊なUSBデバイス)」などを使う方法が考えられています。

1番弱い方法は「ある秘密を知っている」という方法です。これはパスワードを使った認証です。「知っている」ことが証明になってしまうので、他人が「知っている」状態になると簡単になりすましが可能になってしまいます。だからパスワードが要らない世界になろうとしているのです。

すでにパスワード無しでログインできる世界は始まっています。ただ、それが全てのサービスに浸透していくにはいくらか時間が係るでしょう。

パスワードが完全に要らなくなる世界が来るまではパスワードはなんとかして「管理」するしかありません。

この時代、ガスや水道などのサービスと同じように「パスワードマネージャーのサービス」は必須だと思うのです。